髄液検査の後の体内ではたらく細胞

髄液検査をした後から、立ったり座ったりして頭を起こすと頭痛がするんですが・・・

それは低髄圧症の起立性頭痛ですね。脳は普段髄液っていう水の中でプカプカ浮いてるんですよ。けど、髄液が減ると、引力で脳が下に下がっちゃうんです。それで頭痛が出るんですよね。

えっ・・・脳が下がる・・・?それ大丈夫なんですか・・・?

大丈夫です。髄液は毎日たくさん作られているので、元に戻りますよ。ただ、若い人の場合は髄液検査で開いた腰椎の穴が塞がるのが少し遅くて、そこから漏れちゃうんですよね。
長い人で1週間近くはその頭痛が続くことがあります。ユイさんはそのタイプかもしれませんね。

一週間・・・あと4日もこれが続くんですか・・・

横になれば全く痛くなくなるので大丈夫です

大丈夫ちゃうわ。仕事どないすんねん

ということで、髄液検査後の低髄圧症の起立性頭痛はかなりの痛みを伴う過酷な頭痛です。

ただ、寝転んどけば無痛です。

かくいう私も一週間頭痛が続くタイプです。

腰椎の穴がなかなか塞がらない。

なぜ腰椎の穴はなかなか塞がらないのか

まず、腰椎に穴が空いたらどうやって穴が塞がれるのか

体には穴塞ぎの専門家がいます。

そう、言わずと知れた「血小板ちゃん」です。
血小板は超高速で穴を塞ぎます。血が出ても、ちょっと抑えとけば止まるでしょう?

あれは血小板ちゃんの働きです。

でも、血小板ちゃんは、腰椎の穴には辿り着けません。血の中でしか活動できないんです。

じゃあ他に穴塞ぐ専門家は・・・・

いません。

腰椎の穴塞ぎは多分こんな感じ

なんかこの辺で炎症反応が・・・・キョロキョロ
え・・?腰椎に穴空いて髄液出てない・・・??
ええええええええええええ!!!やばいやばいやばいやばい
サイトカイン飛ばさなきゃ!!!

ん・・・?サイトカイン?白血球かしら・・・
腰椎に・・・穴・・・???腰椎に菌が入ったら終わりだわ!
サイトカイン追加放出!!!
線維芽細胞さんに塞いでもらおう!
線維芽細胞さんー!おねがいー!

えーわたし穴塞ぎとか専門じゃないし。穴塞ぎは血小板ちゃんに頼んでよ。そのほうが早いよ

そこ行けないからむり

えぇ〜・・・・
じゃあ時間かかるけどコラーゲンでも貼り付けて塞ぐかぁ。。。。
ペタペタ

ぺたぺた
よーし、ようやく塞がっ

・・・ポロ

あああああああああああ剥がれちゃったああああ
やり直しか・・・・

周囲の掃除と警備は私に任せてね。その落ちてるコラーゲンも掃除しとくから、続きよろしくね

・・・
ぺたぺた

実は血小板ちゃん以外に穴塞ぎのプロはいないんです、

腰椎に穴なんてことはとんでもレアケース。
腰椎の穴塞ぎ専門家なんかいてもほとんど働くことがありませんから、
代わりのその辺の別の仕事を担当する細胞が対処を代わります。

なので塞ぐのが遅い、弱い、
若い人は髄液圧が高くて漏れの勢いが強い、硬膜に弾力が強め→コラーゲンがすぐがれる。塞がらない
→ループ

でも腰椎は脳にダイレクトにつながるパイプになっていますから、
線維芽細胞が塞ぎ、白血球やマクロファージ、好中球が警備、樹状細胞が監督しリンパ節に連絡など総動員で動きます。

髄液検査の後には体の中でこんなドラマが起きています。たぶん。

寝ながら働くしかない。

慢性神経ベーチェットになっちゃった☆

ベーチェット病という病気には、五段階のステージというものがあります。

端的に言えば、重症度を示したものです。

I 眼症状以外の主症状(口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、外陰部潰瘍)のみられるもの
II StageIの症状に眼症状として虹彩毛様体炎が加わったもの
StageIの症状に関節炎や副睾丸炎が加わったもの
III 網脈絡膜炎がみられるもの
IV 失明の可能性があるか、失明に至った網脈絡膜炎およびその他の眼合併症を有するもの
活動性、ないし重度の後遺症を残す特殊病型(腸管ベーチェット病、血管ベーチェット病、神経ベーチェット病)である
V 生命予後に危険のある特殊病型ベーチェット病である
慢性進行型神経ベーチェット病である

発症時は私はステージIIIの眼症状のみの症状でした。

そこから特殊型である急性の神経ベーチェット病が発症しステージはIVにランクアップ!

そしてこの前、髄液検査を1年ぶりにやりました。

 

慢性神経ベーチェットになっちゃった☆

 

ステージVです。

髄液検査の結果でIL-6の値が486

基準値は8です。

8です。

IL-6というのはサイトカインと言って、免疫細胞に集合をかけて敵をやっつける指示を出す物質です。

そしてそのIL-6が俺の脳の周りにある髄液に、クッソ、クッッッッッッッソ大量に沸いてるということです。

そして、免疫が集まると、炎症が起きます。

炎症が続くと、細胞が損傷します。

そして細胞には、再生能力のある細胞、治癒能力のある細胞、治癒も再生もできない細胞があります。

治癒も再生もできない細胞は心筋細胞や骨格筋細胞、

そして神経細胞(脳細胞含む)です。

つまりこのIL-6というサイトカインを片付けないと、脳が炎症に晒され続け、じわじわとぶっ壊れていきます。

症状はこんな感じ

■機序
・IL-6が持続的に高値となり、慢性的な脳の炎症が続く
・脳が持続ダメージを受け徐々に萎縮や障害を起こす
・最終的に脳がぶっ壊れる
・すべり台のように進行するもので、滑ったら戻れない不可逆疾患
・治療で滑り台の角度を緩めることはできる
・滑り始めると勢いがつくので、その前に治療ができたら有利

■症状

・おおまかに、精神症状、神経症状、運動障害。
進行するに連れて各症状が重くなっていくが、それぞれの進行には個人差あり

ステージ1:
・精神症状Lv1:イライラする、攻撃的になる、程度の軽度の変化
・認知症Lv1:もの忘れ、言葉のでにくさなどがちょっと増えた気がするくらいの変化
(多分今俺はここ)

ステージ2:
・精神症状Lv2:うつ病の症状に近い状態になる。他人から見て人格の変化を感じられてくる
・認知症Lv2:物忘れが目立つようになる。新しい情報を記憶するのが困難になる
・神経症状Lv1:歩行でふらつく、片麻痺が起きる

ステージ3:

・精神症状Lv3:統合失調症のような症状が出てくる。軽度の、妄想、幻覚、会話の混乱、情動不安定
・認知症Lv3:日常生活に支障が出るレベルにできなくなることが増える
・神経症状Lv2:歩行不可、車椅子

末期:
・精神症状LvMAX:意味不明なこと言う、他人とのコミュニケーションは不可、興奮して手が付けられない状態
・認知症LvMAX:食事、排泄など介護なしでは生存不可。家族もわからなくなる
・神経症状LvMAX:寝たきり

恐ろしいですね。

 

ただ、この病気はステロイドだと進行は止められなくて、少し前まで手の打ちようがなくじわじわと進行していくしかない病気でした。

けど、いまはメトトレキサートが、それに加えてインフリキシマブ(レミケード)という薬がIL-6を下げるということが判明して、早い段階から手を打てた人は、
末期まで進行するということはほとんどない。

まだ助かる・・・まだ助かる・・・そーれ!ここ!マダガスカル!

 

ということで、まだ助かると信じて、まずは禁酒です。

難病患者が避けるべき人の特徴

他の記事でも書きましたが、膠原病をはじめとする自己免疫疾患(この記事では簡易的に難病患者と表す)は、ストレスが症状の悪化につながる ことがよく知られています。

疲れやすい、炎症が起きる、免疫のバランスが崩れるなど、体調の変化が大きい病気だからこそ、精神的な負担を減らすことが重要 です。

しかし、日常生活の中で「ストレスの原因となる人」との関わりを避けるのは簡単ではありません。

そこでこの記事では、昔から「関わるべきではない人」として名付けられてきた言葉 を参考にしながら、難病患者が距離を置くべき人の特徴をまとめました。

1. 昔から「関わるべきではない人」には名前がつけられていた

日本では、昔から「関わるとストレスやトラブルの元になる人」 には特別な言葉が使われてきました。

これらは、現代においても「距離を置くべき人」の特徴として通じるものばかりです。

難病患者にとっての危険度ランキング(低→高)

言葉 特徴 具体例 受ける可能性のある被害
Cランク(やや危険・関係次第)
守銭奴(しゅせんど) お金に執着しすぎて、人としての誠実さがない 「お前のために貸したのに、まだ返してないの?」と執拗に催促する 金銭トラブル、損得勘定で振り回される
卑怯者(ひきょうもの) ズルいが、直接攻撃してくるわけではない 「あいつがやったって聞いたけど本当?」と他人を利用して責任を押し付ける 裏で悪口を言われる、信用を落とされる
ケチ臭い(けちくさい) 器が小さく、セコい行動をする 「これくらい払ってよ、俺が多めに出したくないし」 些細なことで揉める、イライラさせられる
はしたない 行動が軽薄で、品がない 公共の場で大声で騒ぐ、相手の立場を考えずに発言する 周囲の評価が下がる、恥ずかしい思いをする
Bランク(危険・注意が必要)
増上慢(ぞうじょうまん) 実力以上に自分を特別視し、マウントを取る 「俺の方が経験あるし、お前には無理だよ」 精神的ストレス、過小評価される
独善的(どくぜんてき) 自分の考えだけが正しいと思い込み、他人を全否定する 「普通こうするのが正しいでしょ?お前は間違ってる」 話が通じない、会話がストレスになる
侮蔑的なクズ 人を見下し、自分が優れていると誇示する 「お前のレベルでこの仕事できるの?」 侮辱される、モラハラを受ける
腐ったインテリ 知識や地位を振りかざし、他人をバカにする 「そんなことも知らないの?勉強不足だね」 見下される、馬鹿にされる
傲慢(ごうまん)・尊大(そんだい) 自分が絶対に正しいと信じ、他人の意見を聞かない 「お前の意見なんて聞いてない、俺が決める」 話し合いが成り立たない、理不尽な指示を受ける
Aランク(かなり危険・長期的な関わりは避けるべき)
外道(げどう) 人としてやってはいけないことを平気で行う 「アイツを蹴落とせば俺が得するんだよ」 裏切られる、不当な扱いを受ける
下衆(げす) 品性が低く、卑しく、陰湿な行動を取る 「あいつの失敗、みんなに広めようぜ」 陰口を広められる、評判を落とされる
卑劣漢(ひれつかん) ズルく、卑怯な手段で人を利用する 「お前が言ったことにしておくわ」 陰謀を企てられる、利用される
性根の腐った卑怯者 人間性そのものが腐っており、信用できない 「アイツの秘密をバラせばこっちが有利になる」 嘘をつかれる、騙される
Sランク(超危険・即逃げろ)
腐れ外道(くされげどう) 常識も良心もなく、悪意を持って人を傷つける 「あいつの人生めちゃくちゃにしてやる」 精神的・肉体的な攻撃を受ける、社会的に潰される
鬼畜(きちく) 人間らしい心を持たず、冷酷で残酷 「助ける価値ないやつだから無視しろ」 いじめ、パワハラ、精神的ダメージを受ける
奸賊(かんぞく) 裏切りや不正を平気で行う卑劣な人 「最初から騙すつもりだったんだよ」 信用を失う、詐欺被害に遭う
極悪非道(ごくあくひどう) 道理や倫理を完全に無視する極悪人 「邪魔だから排除しようぜ」 犯罪行為の被害に遭う、社会的に潰される

Sランク・Aランクは即距離を取るべき。高威力のストレスを受け病気の悪化につながる可能性が高い。

Bランクは適度な距離を取りつつ、自分のメンタルを守ることが大事。

Cランクはそこまで気にしなくてもいいが、長時間関わるとストレスになるかも。

2. 現代における「難病患者が避けるべき人」の具体例

昔の人がこいつはマジでやばいと思った人を非難する言葉を紹介しました。
改めて見てみると、こう言う人近くにいるわ・・・みないなのなかったですか?
特にS・Aは本当に危ないので躊躇なく避けることをお勧めします。

ここまでは一般的にやばいやつの紹介でした。
ここからは難病患者が特別に受けるストレス要因になりえる避けるべき人をお伝えしていきます。

① 病気に対する理解がなく、無神経な発言をする人

「大げさじゃない?」「気の持ちようでしょ?」と軽視する
「運動すれば治るよ」「食事を変えれば大丈夫」と根拠のないアドバイスを押し付ける

💡 危険度:S(即距離を取るべきレベル)

② 陰湿・攻撃的で、人を見下すタイプ

「お前って本当に使えないよな」とバカにする
人の不幸を面白がる・陰口を広める

💡 危険度:A(長期的な関わりは避けるべき)

③ 感情的で不安定なタイプ

機嫌が悪いとすぐに怒鳴る・八つ当たりする
感情の起伏が激しく、周りを振り回す

💡 危険度:S(即距離を取るべきレベル)

④ 自分の都合しか考えない自己中心的な人

「お前の体調とか関係なく、これやってよ」と押し付ける
「俺の方が大変なんだよ」と張り合ってくる

💡 危険度:B(適度な距離を保つべき)

⑤ 自分の知識がすべて正しいと思い込んでいる人

「普通はこうだよね?」と主観だけで決めつける
「俺の知ってる〇〇はこうだから、お前の話は間違ってる」と話を聞かない
✔  理解しようとせずに、一般常識や自分の物差しだけで判断して勝手なことを言ってくる

💡 危険度:A(長期的な関わりは避けるべき)

Xで流れてきて即ブックマークしました。
ま〜じでほんとこれすぎるので引用させてもらいました。

3. まとめ:難病患者にとって、ストレスを減らすことは治療の一部

ストレスは免疫関連疾患の悪化要因 になり得るため、
先に紹介したその昔から言われている一般的にやばいとされる人も含め、

無理解な人
陰湿で攻撃的な人
感情的で振り回す人
自己中心的で配慮のない人
主観で決めつける人

こういった人とは積極的に距離を取ることが重要 です。

「関わるべきではない人」との距離をコントロールすることが、ストレスを減らし、症状の安定につながります。

おわりに

あなたの周りにも、こういった「距離を置くべき人」はいませんか?

無理に付き合う必要はありません。

「自分の健康を守るために、関わらない選択をする」 ことも、大切な自己防衛のひとつです。

見た目は元気?いやいや・・・ストレスを減らすためにできること

免疫異常の疾患を持つ我々は日々押し寄せるストレスとの戦いだ。
まず発症した時点で爆弾級のストレスをくらう。

そしてその後は波のように繰り返す関節痛、発熱、ステロイドや免疫抑制剤の副作用、免疫低下による感染対策、感染症への恐怖・・・
我々の抱えるストレスのもとは書き出してもキリがない。

そしてそのストレスは病気を悪化させる。

今日はそのストレスについてと、その対策について書いていく。

病気によるストレスは、解消ではなく「排除」が大切

「ストレスは万病のもと」とはよく聞くことだが、免疫異常の疾患では、それが単なる比喩ではない。

ストレスが続くと炎症性サイトカインが増え、症状が悪化する
ストレスが免疫異常疾患の悪化に関与することは、医学者も医学的には多分そうって言ってる。詳しく知りたい人は引用から

「ストレスは免疫系に影響を及ぼし、交感神経の活性化を通じて顆粒球・単球の増加や炎症性サイトカインの上昇を引き起こす。これは免疫異常疾患の悪化と関連があり、ストレス管理が病状コントロールの重要な要素となる可能性がある(北岡・古屋敷, 2017)。」

参考文献: 北岡志保・古屋敷智之「ストレスによる情動変容の誘導における炎症の役割」心身医学, 57(9), 2017.


(こういう小難しい話の詳しいことも今後の記事で書こうと思っているが、ここではここまで)

とりあえず今言いたいことは、慢性的なストレスはとにかくよくない
※適応的ストレス(良いストレス)もあるらしいが、ここでは慢性ストレスの話に絞る

「病気そのものの辛さ」からくるストレスは避けられないけど、余計なストレスはできるだけ排除した方がいい。

ストレスマネジメントに関する研究では、ストレスの原因を特定し、それを取り除くことが効果的であると示されています。例えば、労働政策研究・研修機構の報告書では、労働者が自分のストレッサー(ストレスの原因)やストレス反応に気づき、それに対処するための知識や方法を身につけることが重要であると述べられています(労働政策研究・研修機構, 2007)【報告書PDF】。
また、ストレスの原因を取り除くことが、ストレス反応の軽減につながるとされています。具体的には、ストレッサーを特定し、それに対処することで、精神的・身体的な健康問題を予防できると報告されています(労働政策研究・研修機構, 2012)【報告書PDF】。

参考文献:労働政策研究・研修機構 (2007). 「ストレスマネジメントと職場環境改善の関係」. 労働政策研究, 41-53.労働政策研究・研修機構 (2012). 「効果的なストレスマネジメント手法に関する研究」. 労働政策研究, 147-02-3.

その中でも、一番厄介なのが「対人関係のストレス」だ。

「慢性疾患や障害を持つ人々は、社会的な偏見や差別にさらされることがあり、それが心理的ストレスの要因となる可能性がある(日本教育心理学会, 2014)。」

参考文献:日本教育心理学会, 「障害者に対する潜在的態度の研究動向と展望」, 日本教育心理学会誌, 62(1), 2014.

「見た目が健康そうだから」と心無いことを言われるつらさ

病気になったからって、見た目まで病人っぽくなるとは限らない。
特に、ステロイドを飲んでると、ムーンフェイスや中心性肥満になることがある。

それに、薬が効いているうちは普段通りに仕事や日常生活を送れることもある。
そのせいで、むしろ健康そうに見えることもある。

「そんなに辛い病気なの?」
「元気そうに見えるけど、大げさじゃない?」

どうやら難病人の相場はガリガリで青い顔をしているもの、ということらしい。
とんだ言いがかりだ。
だが俺も何度も言われた。見た目で判断するな。

お前にもステロイド飲ませてやろうか?

・・・おっと失礼。ジョークジョーク。

言った本人には悪気はないんだろうけど、言われた当人としてはかなりキツい。

免疫異常の病気は、一般的な病気とは違う。それでも、同じ物差しで見られる

「熱が出る」「関節が痛む」「口内炎ができる」
たしかに、こう書くと、どれも珍しい症状じゃない。
だからこそ、多くの人はこう思う。

「私も口内炎できるよ」

「関節痛なんて、年を取れば誰でもあるでしょ?」

まて、免疫異常の病気の症状はそんな甘いものじゃない。
普通の関節痛なら、湿布を貼るなり鎮痛剤を飲むなりすれば楽になるかもしれない。
でも、免疫異常の病気の関節痛は、ロキソニンもカロナールも効かず、毎日ジワジワと痛みが続くことが大半。

一般の人の関節痛とは痛みが起こる機序が違う。

免疫異常の疾患では、一般的な病気と同じような症状があっても、その重さや発症メカニズムが異なる。

例えば、**全身性エリテマトーデス(SLE)**では、関節炎に加え、腎臓・皮膚・肺・心臓・脳・血液の細胞など多岐にわたる臓器が影響を受けるため、疲労感や脱力感、発疹、脱毛といった多様な症状を伴う【MSDマニュアル】。
また、シェーグレン症候群では、単なる乾燥症状にとどまらず、眼や口の乾燥だけでなく、関節や筋肉の痛み、極度の疲労感が主な症状として現れる【沢井製薬】。

このように、免疫異常の病気による症状は、一般的な関節痛や疲労とは異なり、慢性的かつ全身的な影響を及ぼすことが特徴とされている。

参考文献:MSDマニュアル家庭版「自己免疫疾患」沢井製薬「シェーグレン症候群とは?」

口内炎も、普通なら数日で治るかもしれない。

でも、免疫異常の病気による口内炎は、何度も繰り返しできて、痛みで食事すらままならなくなることもある。
知らない人にとっては「よくある症状」に見えるかもしれない。

「ビタミン足りてないんじゃない?」

「舌噛んじゃった?」

・・・・ふぅ。書いてるだけで少しイラッとしてしまった。
でも、膠原病や免疫異常の病気の本当の苦しさは、その見た目の分かりにくさと、想像以上に過酷な症状にある。

病気をきっかけに、人の本質が見えるようになる

それだけでも十分しんどいのに、病気を持っていると、さらに厄介なことが起こる。
「腫れもの扱いされる」という現象だ。

例えば、今まで普通に話していた人が、病気のことを知った途端、態度が変わる。

  • 急に距離を取られる
  • 変に気を遣われて、扱いがぎこちなくなる

特に仕事で突然チームを外されたり、降格されたり、それを仕向けて裏で動いてるやつに気がついた時なんかはかなりキツい。

「この人は、表面上だけの付き合いだったのか?」
「こいつは主観だけで物事を判断して他人を傷つける人じゃないか?」
「こいつは損得で動くやつだな」
「こいつは人を利用して使えなくなったら切り捨てるタイプの人間だ」

そういうのが、だんだん見えるようになってくる。

病気を通して得た「人を見る目」

なぜ、こういうことが分かるようになったのか。

病気になると、それまでと違う態度をとる人が出てくる。
急に距離を取る人、腫れもの扱いする人、逆に変わらず支えてくれる人。

こういう経験は、なかなか普通の人生ではできない。と思う。
だからこそ、短期間で「人を見る目」が磨かれるのかもしれない。

根拠は分からない。でも、難病を持つ人と話すと共感してもらえることが多い。
きっと、多くの人が似た経験をしているからだろう。

どうにしろ、これは貴重な能力。

普通の人なら、長い時間をかけないと気づけない「人間性の本質」を、病気を通して早い段階で知ることができる。

確かに、病気を抱えることは大きなハンデかもしれない。

でも、それによって「本当に大切な人と、そうでない人を見極める力」を手に入れたとも言える。
もしかすると、これは自分を守るために備わった、防衛本能的な能力なのかもしれない。

無理な人間関係を手放し、ストレスを減らす

病気を持つことは、確かに不安や制限を生む。
でも、そこで気づいた「人の本質を見抜く力」は、決して無駄じゃない。

これからの人生で、本当に大切な人とだけ関わり不要なストレスを減らしていくことが、病気と共に生きる上で最も重要だと思う。

「ストレスを解消する」よりも、「ストレスの元を手放す」。

そう考えるだけで、少し気持ちが楽にならないだろうか?

まとめ

  • 免疫異常疾患を持つと、ストレスが症状を悪化させる
  • 特に、対人関係のストレスは大きな問題
  • ステロイド治療による外見変化で誤解されることも多い
  • 病気を通して「人を見る目」がつく
  • 本当に大切な人とだけ付き合い、ストレスの元を手放すことが重要

最後に

ここからは俺の個人的な意見だが、
もし今、「人間関係で傷ついている」「病気のことで誤解されて辛い」と感じているなら、無理に誰かに合わせなくてもいい。
ストレスになる人と距離を置くことは、あなたの心と体を守る大切な選択だ。

「これは病気がくれた新しい視点なんだ」と思えたら、少しだけ気が楽になるかもしれない。

あなたの人生は、あなたのもの。
大切な人と、穏やかに過ごせる時間を大切にしよう。

それがあなたの為になる。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後距離を置くべき人の特徴や、ストレスが溜まっているかの判断方法などのテーマでの執筆を考えています。
あくまでイチ患者であり、医師や研究者などではありませんが、
私の経験や自分で勉強して為になったことをお伝えしたいと思っています。

急性神経ベーチェット病闘病記録

みなさん、こんにちは。おもちみかんです。
私は33歳の男性で、急性神経ベーチェット病と診断されました。

ベーチェット病は非常に多くの症状がある難病で、症状は人によって異なります。
特に急性神経ベーチェット病は、重症度レベル1〜5のうち4に分類される特殊な症状です。(慢性は5)

自分がこんなに深刻な病気にかかるなんて思いもしませんでした。ピーク時には入院していましたが、現在は退院して服薬治療を続けています。
現在も寛解はしておらず神経異常による痛みや関節痛、筋肉痛、頭痛などで苦しんでいます。

ここからは、私の発症から現在までの経過を記しましたので、よかったらご覧ください。

闘病記録

ぶどう膜炎発症

2021/5/12 風呂上がりに無印の化粧水を塗った後、左目に目ヤニが張り付いている時のような霞みを感じる。完全に無印の化粧水のせいだと思い放置。

2021/5/15 いつまで経っても霞みが取れないので近所の眼科を受診。
先生「うーん、これは・・・紹介状書くから大病院行って」
俺(マジかよ無印の化粧水ヤバすぎだろ・・・)
この時点では病名は告げられず

2021/5/27 市内一番の総合病院を受診。「ぶどう膜炎」を告げられ、先生が呼んできた研修医に囲まれ教材に。悪い気はしない。
●処方薬
・リンデロン点眼薬
・ミケラン点眼薬

●処置
・ステロイドテノン嚢下注射

2021/10/26 炎症を起こしてはテノン嚢下注射をして眼圧が上がり点眼回数を増やしということを繰り返しているうちに白内障が進行。
改善が進まないので紹介状を書くと言われる。え?ここらで一番でかい病院なのに??
→県内一番の大学病院にグレードアップ。車で1時間半。

大学病院へ

2021/11/11 大学病院受診 10時半に予約、激混みで終了時間19時に。県内1の洗礼を受ける。眼科の先生的には「ベーチェット」っぽいとのこと。
口内炎が出来てないか、隠部に潰瘍がないかなど聞かれるが、今も過去にも全くない。
ほんまにベーチェット病なん??
処方薬と処置は変わらず。

2021/11/某日 遺伝子検査で「HLA-B51」が陽性。ベーチェット病が濃厚に。
そこからは以前と同じ状況、炎症と眼圧上昇の繰り返しをしばらく繰り返す
処方薬「コルヒチン」追加。

2022/3/2 処方薬追加。免疫抑制剤「シクロスポリン」
この薬が俺の人生を変えるとは、この時はまだ誰も知る由もなかった・・・

2022/4/某日 鬼のような下痢を繰り返す。一向に治らない。
眼科の先生に相談したところ「あ、コルヒチンとシクロスポリン併用禁忌だったみたい」
おいいいいいいいいい。だったみたいじゃねぇよ
「コルヒチン」中止
ここからも炎症と眼圧上昇の繰り返しを繰り返し、目に注射することに慣れすぎて全く恐怖を覚えなくなる

2023/6/7 先生がなかなか良くならないので「ヒュミラ」を使いたいと言い出す。
ヒュミラは自分で注射するタイプの薬で、一発10万円とかするらしい。3割自己負担で3万、それを2週に1回打つらしい。無理!!
ということで指定難病の認定を受けることに

2023/8/某日 「ベーチェット病」指定難病認定。受給者証取得。
2023/9/7 生物学的製剤「ヒュミラ」開始。この頃には白内障が進行しすぎて左目の矯正視力は0.06に。左目だけで助かった。

急性神経ベーチェット病発症

2023/9/21 謎の発熱。37.8℃あるのに風邪症状は全くなし。ここから週1のペースで謎の発熱が繰り返す。タイミング的にヒュミラの副作用を疑い、ヒュミラ中止。
カロナール処方されるも全く効かず

2023/10/某日 発熱の頻度が上がる。週3くらいのペースで発熱、38.5℃を越すようになる。血液検査結果で赤沈とCRPの値が上がり始める。眼科の先生「ちょっと炎症の値あがってるね〜。熱の原因はちょっとわかんないねぇ」

2023/11/某日 発熱の頻度が上がる。週5のペースで発熱。この頃から後頭部を中心に表皮に触れると痛むように。時々腕にヒリヒリとした痛みも現れる。

2023/12/某日 ヒリヒリは腕から上半身まで拡大。時々だったのが毎日ヒリヒリするように。表皮の痛みは頭の前側まで広がる。さらに首の痛みと肩こりがひどい。眼科の診察で次回脳神経内科の受診をすることに。正直もっとはよそうしてくれやと思った。

2024/1/某日 後頭部の浅い部分でひどい頭痛。3秒に1度のペースで激痛が走り、何も出来なくなる。テレワークなのでギリギリの精神状態で仕事には出勤するが、ほとんど何も出来ず。給料泥棒である。仕事の時間以外は寝たきりに。
食欲も激減。手のひらくらいの大きさの皿にちちょろっとしか食べられない。

2024/1/26 脳神経内科受診。MRI検査をすることに。脳神経先生「混んでるから1ヶ月後だね」ひぃいいいいい耐えられねええええよおおおお

2024/2/15 頭痛とヒリヒリと肩こりをなんとか耐えてMRI検査。脳内に白い影を確認。「検査入院した方がいいけど、どうする?」即答で「しますお願いします。」
入院準備が出来次第連絡がもらえることに。

2024/3/月初 全然連絡が来ない。日々悪化している。毎日高熱の日々。寝たきり状態で妻に救急車を呼ばれそうになる。

2024/3/10 痺れを切らして病院に電話。準備ができたら電話しますとあしらわれる。

入院

2024/3/21 入院スタート。即日採血12本、MRI、髄液検査。MRIでは脳の白い影が前回と比べ大幅に拡大。髄液検査では白血球が20,000越え(正常値5以下)。血液検査では感染症は見られず、「急性神経ベーチェット病による自己免疫性髄膜炎」の診断。
発症の原因は「シクロスポリン」。急性神経ベーチェット病を誘発する副作用があるらしい。即日中止。大阪に住む父親がこれにブチギレ。眼科の先生に文句を言うというのを必死に説得し止める。気持ちはわかるがやめてくれ、通えなくなる。

髄液検査はなぜか新人に施術され失敗、2度刺され、腰椎に針を刺した状態で動かされ激痛。その後腰の痛みが1ヶ月続く。ここから一週間起立性頭痛で散歩などの運動できず。

即日治療方針が決定。薬の処方が決まる。
●処方薬
・プレドニン 60mg
・ラベプラゾールNa錠

2024/3/22 服薬開始。即日劇的に効果が出る。毎日出ていた高熱は解熱。頭痛解消。腕と上半身のヒリヒリ解消。健康の素晴らしさを思い出す。

2024/3/29 このあたりから血糖値の上昇が始まる。食後血糖値250を超え、インスリン注射処方開始。プレドニン55mgに減薬。
眼科受診。ぶどう膜炎の炎症も皆無に。眼科先生に「プレドニン60mgはなかなかハリケーンだねww無敵状態なので眼科からの処方は全て中止にしますね」と言われ目薬全中止。ハリケーンってなんやねん

2024/4/4 MRI検査。症状は解消しているものの、MRI画像は良くなっておらず。
プレドニン50mgに減薬。
ステロイドの副作用がすごい。食欲増進してグルメ動画ばかり見るように。
精神も弱くなり涙もろくなる。1日外出録ハンチョウを読みなぜか号泣など。
夜は不眠に。

コロナ罹患

2024/4/7 まさかのコロナ陽性www元気になったのをいいことに毎日散歩してウロウロしてたのが仇となる。コロナの症状自体は軽症。一週間程で治るが、ステロイド副作用も相まって筋力が一気に減少。ヒョロヒョロに。体重は健康時85kgだったのが58kgまで減少。
●処方薬
・ラゲブリオ

2024/4/8 髄液検査。細胞数は半減。
検査担当の先生が変わり、髄液検査が実はそんなに痛くないことを知る。前回の検査の痛みが普通ではなかったことを知り怒りが湧くも、抑える。
ここから一週間起立性頭痛で散歩などの運動できず。多分これは体質のやつ
プレドニン45mgに減薬。

2024/4/15 コロナ隔離解除。また髄液検査。検査の痛みよりその後一週間続く起立性頭痛が嫌すぎる。
検査結果、細胞数がついに正常値近くに。

2024/4/18 MRI検査。影がうっすら残るもほぼ解消。初見では「異常なし」まで回復。
プレドニンは40mgに。
この辺りから弱いものの後頭部の表皮の痛みと肩こりが復活。再発の恐怖との戦いがここから始まる。

2024/4/22 骨粗鬆症検査。骨粗鬆症になるギリギリのラインまで骨密度減少。骨粗鬆症治療薬「ボナロン」処方開始。

退院

2024/4/27 退院。プレドニン35mgに減薬。

2024/5/11 仕事復帰。ちょいちょいサボりながらも徐々に8時間の業務に慣れていく。

現在に至る 現在プレドニン20mg

さいごに

本当に病気は青天の霹靂です。
これを読んでいる健康な方も、自分とは関係ないとは思わず、明日自分にも降りかかるかもしれないと思って毎日を大切に過ごしてほしいです。

大切な人を大切にしていますか?
今しかできないことを後回しにしていませんか?