髄液検査の後の体内ではたらく細胞

髄液検査をした後から、立ったり座ったりして頭を起こすと頭痛がするんですが・・・

それは低髄圧症の起立性頭痛ですね。脳は普段髄液っていう水の中でプカプカ浮いてるんですよ。けど、髄液が減ると、引力で脳が下に下がっちゃうんです。それで頭痛が出るんですよね。

えっ・・・脳が下がる・・・?それ大丈夫なんですか・・・?

大丈夫です。髄液は毎日たくさん作られているので、元に戻りますよ。ただ、若い人の場合は髄液検査で開いた腰椎の穴が塞がるのが少し遅くて、そこから漏れちゃうんですよね。
長い人で1週間近くはその頭痛が続くことがあります。ユイさんはそのタイプかもしれませんね。

一週間・・・あと4日もこれが続くんですか・・・

横になれば全く痛くなくなるので大丈夫です

大丈夫ちゃうわ。仕事どないすんねん

ということで、髄液検査後の低髄圧症の起立性頭痛はかなりの痛みを伴う過酷な頭痛です。

ただ、寝転んどけば無痛です。

かくいう私も一週間頭痛が続くタイプです。

腰椎の穴がなかなか塞がらない。

なぜ腰椎の穴はなかなか塞がらないのか

まず、腰椎に穴が空いたらどうやって穴が塞がれるのか

体には穴塞ぎの専門家がいます。

そう、言わずと知れた「血小板ちゃん」です。
血小板は超高速で穴を塞ぎます。血が出ても、ちょっと抑えとけば止まるでしょう?

あれは血小板ちゃんの働きです。

でも、血小板ちゃんは、腰椎の穴には辿り着けません。血の中でしか活動できないんです。

じゃあ他に穴塞ぐ専門家は・・・・

いません。

腰椎の穴塞ぎは多分こんな感じ

なんかこの辺で炎症反応が・・・・キョロキョロ
え・・?腰椎に穴空いて髄液出てない・・・??
ええええええええええええ!!!やばいやばいやばいやばい
サイトカイン飛ばさなきゃ!!!

ん・・・?サイトカイン?白血球かしら・・・
腰椎に・・・穴・・・???腰椎に菌が入ったら終わりだわ!
サイトカイン追加放出!!!
線維芽細胞さんに塞いでもらおう!
線維芽細胞さんー!おねがいー!

えーわたし穴塞ぎとか専門じゃないし。穴塞ぎは血小板ちゃんに頼んでよ。そのほうが早いよ

そこ行けないからむり

えぇ〜・・・・
じゃあ時間かかるけどコラーゲンでも貼り付けて塞ぐかぁ。。。。
ペタペタ

ぺたぺた
よーし、ようやく塞がっ

・・・ポロ

あああああああああああ剥がれちゃったああああ
やり直しか・・・・

周囲の掃除と警備は私に任せてね。その落ちてるコラーゲンも掃除しとくから、続きよろしくね

・・・
ぺたぺた

実は血小板ちゃん以外に穴塞ぎのプロはいないんです、

腰椎に穴なんてことはとんでもレアケース。
腰椎の穴塞ぎ専門家なんかいてもほとんど働くことがありませんから、
代わりのその辺の別の仕事を担当する細胞が対処を代わります。

なので塞ぐのが遅い、弱い、
若い人は髄液圧が高くて漏れの勢いが強い、硬膜に弾力が強め→コラーゲンがすぐがれる。塞がらない
→ループ

でも腰椎は脳にダイレクトにつながるパイプになっていますから、
線維芽細胞が塞ぎ、白血球やマクロファージ、好中球が警備、樹状細胞が監督しリンパ節に連絡など総動員で動きます。

髄液検査の後には体の中でこんなドラマが起きています。たぶん。

寝ながら働くしかない。

慢性神経ベーチェットになっちゃった☆

ベーチェット病という病気には、五段階のステージというものがあります。

端的に言えば、重症度を示したものです。

I 眼症状以外の主症状(口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、外陰部潰瘍)のみられるもの
II StageIの症状に眼症状として虹彩毛様体炎が加わったもの
StageIの症状に関節炎や副睾丸炎が加わったもの
III 網脈絡膜炎がみられるもの
IV 失明の可能性があるか、失明に至った網脈絡膜炎およびその他の眼合併症を有するもの
活動性、ないし重度の後遺症を残す特殊病型(腸管ベーチェット病、血管ベーチェット病、神経ベーチェット病)である
V 生命予後に危険のある特殊病型ベーチェット病である
慢性進行型神経ベーチェット病である

発症時は私はステージIIIの眼症状のみの症状でした。

そこから特殊型である急性の神経ベーチェット病が発症しステージはIVにランクアップ!

そしてこの前、髄液検査を1年ぶりにやりました。

 

慢性神経ベーチェットになっちゃった☆

 

ステージVです。

髄液検査の結果でIL-6の値が486

基準値は8です。

8です。

IL-6というのはサイトカインと言って、免疫細胞に集合をかけて敵をやっつける指示を出す物質です。

そしてそのIL-6が俺の脳の周りにある髄液に、クッソ、クッッッッッッッソ大量に沸いてるということです。

そして、免疫が集まると、炎症が起きます。

炎症が続くと、細胞が損傷します。

そして細胞には、再生能力のある細胞、治癒能力のある細胞、治癒も再生もできない細胞があります。

治癒も再生もできない細胞は心筋細胞や骨格筋細胞、

そして神経細胞(脳細胞含む)です。

つまりこのIL-6というサイトカインを片付けないと、脳が炎症に晒され続け、じわじわとぶっ壊れていきます。

症状はこんな感じ

■機序
・IL-6が持続的に高値となり、慢性的な脳の炎症が続く
・脳が持続ダメージを受け徐々に萎縮や障害を起こす
・最終的に脳がぶっ壊れる
・すべり台のように進行するもので、滑ったら戻れない不可逆疾患
・治療で滑り台の角度を緩めることはできる
・滑り始めると勢いがつくので、その前に治療ができたら有利

■症状

・おおまかに、精神症状、神経症状、運動障害。
進行するに連れて各症状が重くなっていくが、それぞれの進行には個人差あり

ステージ1:
・精神症状Lv1:イライラする、攻撃的になる、程度の軽度の変化
・認知症Lv1:もの忘れ、言葉のでにくさなどがちょっと増えた気がするくらいの変化
(多分今俺はここ)

ステージ2:
・精神症状Lv2:うつ病の症状に近い状態になる。他人から見て人格の変化を感じられてくる
・認知症Lv2:物忘れが目立つようになる。新しい情報を記憶するのが困難になる
・神経症状Lv1:歩行でふらつく、片麻痺が起きる

ステージ3:

・精神症状Lv3:統合失調症のような症状が出てくる。軽度の、妄想、幻覚、会話の混乱、情動不安定
・認知症Lv3:日常生活に支障が出るレベルにできなくなることが増える
・神経症状Lv2:歩行不可、車椅子

末期:
・精神症状LvMAX:意味不明なこと言う、他人とのコミュニケーションは不可、興奮して手が付けられない状態
・認知症LvMAX:食事、排泄など介護なしでは生存不可。家族もわからなくなる
・神経症状LvMAX:寝たきり

恐ろしいですね。

 

ただ、この病気はステロイドだと進行は止められなくて、少し前まで手の打ちようがなくじわじわと進行していくしかない病気でした。

けど、いまはメトトレキサートが、それに加えてインフリキシマブ(レミケード)という薬がIL-6を下げるということが判明して、早い段階から手を打てた人は、
末期まで進行するということはほとんどない。

まだ助かる・・・まだ助かる・・・そーれ!ここ!マダガスカル!

 

ということで、まだ助かると信じて、まずは禁酒です。